
しじみが血糖値を下げる作用を持つと期待されている理由は、しじみに含まれるオルニチンがインスリンによく似たインスリン様成長因子を分泌するからです。
1.血糖値が高くなる仕組み
そもそも、血糖値が高くなる理由はブドウ糖にあります。
ブドウ糖は体の活動には欠かせないエネルギー源です。主に血液にのって細胞、臓器、筋肉などで使用されているのですが、各部位に運ばれず、血液に留まっているブドウ糖を血糖値という数値で表します。
つまり、血糖値は血中にあるブドウ糖量を示す数値なのです。
通常であれば、血中にブドウ糖が溜まり過ぎることはありません。
それは、体内でインスリンが分泌されているからです。
インスリンは膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモンです。
通常であれば、食事をして一時的に血糖値が上がってもインスリンが分泌されることで、血糖値は一定に保たれます。
血糖値が上がり糖尿病になってしまう人は、すい臓から出るインスリン量が減少したり、インスリンの働きが悪くなったりして、血糖値を下げられない状態が続いているのです。
糖尿病の有効な治療としてインスリン注射があります。
これは、本来すい臓で作られるインスリンが上手く作られないので、注射でインスリンを補う治療法です。
このように、血糖値を上げないためには、インスリンの分泌を活発にすることが重要なのです。
2.しじみが血糖値を下げる理由
・オルニチンがインスリン様成長因子の分泌を促進する
ここで冒頭に戻りますが、しじみに含まれるオルニチンにはインスリン様成長因子を分泌する働きがあることがわかりました。
オルニチンには成長ホルモンの分泌を促す働きがあります。
この成長ホルモンの分泌により、インスリン様成長因子というホルモンの分泌が促されるのです。インスリン様成長因子とは、血糖値の上昇を抑制するために必要なインスリンと非常によく似たホルモンです。
オルニチンの働きによってインスリン様成長因子の分泌が促されることによって、血糖値の上昇を抑えることができると期待されているのです。
3.アルギニンがインスリンの働きを向上させる
さらに、しじみにはアルギニンというアミノ酸が含まれています。
アルギニンは血糖の代謝に関わる重要な役割を持っています。
2009年7月にイタリアの循環器糖尿病研究所による研究チームがアルギニンの血糖低下作用の結果を発表しました。
研究の報告によると、アルギニンにはインスリンの感受性を向上させて、血糖を抑える作用が認められたそうです。
このように、しじみには血糖値の上昇を抑えるために働く栄養素が含まれています。
血糖値の上昇による糖尿病を予防するためにも、しじみを摂って血糖値を一定に保ちましょう。