
1.しじみが下痢を引き起こす理由
しじみには、肝機能を高めるオルニチン、免疫力を高めるタウリン、血液をつくる亜鉛や鉄、骨や筋肉をつくるカルシウム、美肌効果のあるビタミンB群など豊富な栄養素が含まれています。
しかし、栄養素が豊富に含まれているからこそ、摂取量に注意しなければ、副作用を引き起こす可能性があります。
人間の体はあらゆる栄養素をバランス良く摂ることで健康を維持しています。
ですから、偏った栄養素ばかりを摂って、必要な栄養素が不足すると「欠乏症」を引き起こすことがあります。
欠乏症とは、体にとって必要な栄養素が不足することによって起こる体の不調です。
反対に、どれかに偏った栄養素ばかりを摂り過ぎてしまうと、「過剰症」を引き起こすことがあります。
過剰症とは、体にとって必要量以上の栄養素を摂り過ぎることによって起こる体の不調です。
本来は私たちの体の健康維持のために作用する栄養素ですが、摂取量を誤ると、不調を引き起こす毒にもなるのです。
しじみを摂って下痢を引き起こす理由もここにあります。
しじみに含まれる栄養素の中でも、とくにオルニチンとタウリンは成分の効能が比較的強い成分です。
効能が強いということは、少量でも体へ与える影響が大きいということです。
どの栄養素にも、1日の目安摂取量というものがあります。
その目安摂取量を超えて摂り続けてしますと、健康被害が表れることがあります。
中でも、しじみのようなアミノ酸が豊富な食材は、摂り過ぎると悪影響を及ぼす可能性があります。
オルニチンの摂取目安量は、成人で400mg~1000mgと言われています。
2.しじみはアミノ酸が豊富な食材
しじみはとても小さな粒ですがアミノ酸が豊富に含まれた食材です。
アミノ酸やタンパク質を大量摂取すると、小腸でのアミノ酸濃度が急激に高くなり、小腸の水分量が多くなります。
小腸の水分量が多くなることで、お腹が緩くなり、下痢や腹痛を引き起こすのです。
下痢の症状はタンパク質やアミノ酸の過剰摂取によって起こる過剰症の典型的な症状なので、深刻に心配をする必要はありませんが、しじみを摂って下痢の症状が現れた際は一度摂取を控えた方が良いでしょう。
そして、しじみを摂って下痢を引き起こしてしまった場合、まずは摂取量は正しかったのかを確認してください。サプリメントやドリンクでの摂取であれば、1日の目安摂取量以上の摂取をしていなかったかを確認してください。
しじみを食事で過剰摂取することはめったにないと考えられますが、サプリやドリンクは、注意しなければ過剰摂取になりやすいです。
体調が優れないときに摂取したり、過剰な摂取をしたりしなければ、しじみを摂って下痢を引き起こすことはまずありません。
しじみのような栄養価の高い食材は効能も高いので、過剰症を防ぐためにも、必ず摂取量を守って摂りましょう。