
1.二枚貝に存在する菌
しじみを含めた二枚貝に存在する「菌」で心配されるのがノロウイルスです。
ノロウイルスは、海水や河川の水で長期間存在できる性質を持っていますので、ノロウイルスが存在している海水や河川の水で育てられた二枚貝を食べると、ノロウイルスに感染する可能性があります。
基本的に、食べ物の中で菌が増えることは無いのですが、一度人の体内に入ってしまうと腸内で菌が増殖します。
二枚貝に含まれるノロウイルスの感染を予防するためには、どんなに新鮮でも生で食べないことです。そして、しっかりと加熱調理をすることも大切です。
二枚貝は非常に栄養価が高いので、積極的に摂って欲しい食べ物なのですが、それでも心配という方はしじみがおすすめです。
ノロウイルスなどの菌は二枚貝の内臓に溜め込まれています。二枚貝の中でも内臓の小さなしじみは、必然的に同じ二枚貝のカキなどよりも菌を溜め込む量も少ないのです。
また、しじみは二枚貝の中でも加熱調理に適した貝ですので、生食よりも加熱調理の方がより美味しく食べることができます。
2.しじみの正しい知識を持つ
しじみに菌が存在していることで「もしかして、しじみって危険な食べ物!?」と考え、控えてしまうのは、あまりにももったいないことです。
しじみには、オルニチンやタウリン、亜鉛、鉄分など、体を元気にする豊富な栄養成分が豊富に詰まった健康食材です。
しじみだけではなく、食べ方によって不調を起こすリスクを抱えているのは、ほぼすべての生食材にいえることです。
大切なことは、正しい知識を持って、不調を起こすリスクの高い食べ方をしないことです。
そもそも、しじみやあさり、カキなどの二枚貝が毒を溜め込む性質があることをどれだけの人が知っているでしょうか。
二枚貝は海中のプランクトンをエサにして成長しています。プランクトンの中には有毒プランクトンが存在しますので、この有毒プランクトンをエサとして成長してしまった二枚貝には毒が溜まります。このような「貝毒」を持った二枚貝を食べると下痢やしびれなどの不調を起こすことがあります。
しかし、ほとんどの方がしじみやあさりなどの二枚貝を食べても、貝毒にあたることはありません。
それは、貝毒に関する厳しい規制がきちんと設けられ、決められた基準値を超えた場合は出荷停止などで、市場に出回らないように決められているからです。
国内産の二枚貝の規制はとくに厳しく、実際に貝毒にあたった人のほとんどが市場で購入したものではなく個人で採った二枚貝によるものだと考えられています。
私たちがスーパーなどで目にするしじみを始めとした二枚貝は、貝毒の心配がないと言って良いほど、安全性の高いものなのです。