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しじみでストレスを軽減

1.しじみはストレスを解消する

現代はストレス社会と呼ばれています。
仕事や人間関係、健康や経済的な理由から来る将来の不安など、様々な理由から心に負の感情が芽生え、時にそれが重みとなって心身ともに衰弱してしまいます。
しじみは、心のストレスを軽減する栄養素を含有しています。
心の病であるストレスが、栄養素と関係しているとは不思議に思われるかもしれません。
今回は、しじみの栄養素でストレスが軽減される仕組みをお話します。

2.ストレスとは何か

ストレスとは、生活上で心身にプレッシャーがかかった状態を言います。
普段の生活では、心の動きは一定の範囲内に保たれています。
ところが、普段の生活とは思いもよらない事態が生じると、心の動きが一定の範疇を超えてしまいます。
心の動きが一定の範囲を超えると、不安から人は強迫観念にかられます。
この強迫観念が、精神的なストレスです。

また、労働や運動などで疲労が溜まった状態も、身体的なプレッシャーとなります。
これもストレスの一種に挙げられます。
肉体的なストレスが蓄積すると、心の動きが一定に保てなくなるので、精神的なストレスも生じるようになります。

3.ストレスと神経伝達物質

最近の研究では、人の感情は脳内ホルモンと呼ばれる神経伝達物質が深く関わっていることが徐々に分かってきました。
人がストレスを感じると、そのストレスから逃れるために感情が揺れ動いたり、時には動悸や息切れ、発汗など身体的な変化が起こったりします。
この時、脳内に生じたストレスに対応する脳内ホルモンが盛んに分泌されます。

ストレスに対抗する脳内ホルモンが大量に分泌されると、心が特定の感情に支配されるようになります。
また、脳内ホルモンは自律神経にも影響を及ぼします。

3-1.ストレスとノルアドレナリン

例えば、外敵に襲われることはストレスとなり、人の感情は不安や恐怖にさらされます。
この不安や恐怖に対抗するため、脳内にノルアドレナリンと言う脳内ホルモンが分泌されます。
ノルアドレナリンは興奮作用を持ち、ノルアドレナリンが分泌されると不安や恐怖に打ち克つために、闘争・逃走反応※1と呼ばれる行動を脳に起こさせます。
戦うにしても、逃げるにしても、普段より高い運動能力が必要です。

ノルアドレナリンが運動を司る交感神経を刺激して血管を拡張することで、普段よりも多くの酸素が全身に送られるようになります。
そして、胃や腸などの活動が停止する一方で、糖質や脂質のエネルギー変換が促進され、筋肉の運動量が増大します。
また、全力を尽くすには一つのことに集中しなければならないので、視野が狭くなり聴覚も鈍くなり、痛みに対しても反応が鈍くなります。
このように、ノルアドレナリンは一時的に人の運動力を飛躍的に高めます。

※1闘争・逃走反応とは、人間が外敵に襲われるなどの窮地に追い込まれた時に、その敵と全力で戦うか、それとも全力で逃げるかを迫る反応。どちらを選択しても、人の運動力を普段より高める必要があります。

3-2.ノルアドレナリンの弊害

しかし、ストレスが続き、ノルアドレナリンの分泌も続くと、身体が運動量の負荷に耐えられなくなります。
また、興奮状態が続くため感情のコントロールが効かなくなり、怒りっぽくなります。
実は、ノルアドレナリンは使いすぎると枯渇します。
ノルアドレナリンの過剰分泌でストレスに対して耐性が付いてしまうと、ノルアドレナリンが枯渇してしまった時にストレスに抗う気力が喪失し、無気力状態になります。
つまり、何事に対しても気力が無くなるうつ病を発症してしまいます。

3-3.ストレスを軽減するセロトニン

実は、脳内ホルモンの中には、ストレスによる感情の動きを和らげる脳内ホルモンが存在します。
それが、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンです。
セロトニンは、過剰に分泌されるノルアドレナリンや、同じく興奮性の脳内ホルモンであるドーパミンの分泌を抑制し、心の安定化を図るホルモンです。

セロトニンが分泌されると、緊張が解け、心が落ち着き、穏やかな気分になり、また痛みを和らげる効果も発揮します。
さらに昼間に分泌されるセロトニンの量により、夜間に分泌される睡眠を促す神経伝達物質のメラトニンの量も決まってきます。
睡眠は心身の疲労の回復に重要な役割があるので、セロトニンはストレスの軽減に必要不可欠な脳内ホルモンです。

3-4.セロトニンとしじみの関係

体内でセロトニンを作るには、必須アミノ酸のトリプトファンと、代謝の際に補酵素として作用するビタミンB6が必要不可欠です。
トリプトファンとビタミンB6が不足すると、セロトニンの生産ができません。
トリプトファンもビタミンB6も体内で合成できないので、食事で補う必要があります。

しじみはトリプトファンと、ビタミンB6を多く含有しています。
しじみは可食部100gあたり、トリプトファンを75mg含有し、これはWHO(世界保健機関)が定める体重60kgの人が1日に必要な摂取量の31.3%に相当します。
また、ビタミンB6は可食部100gあたり1mg含有し、これは厚生労働省が定める成人1日あたりの摂取基準の9%に相当します。

4.睡眠としじみ

ストレスを和らげるには、睡眠が重要な役割を果たします。
脳と体の疲れはストレスとなるので、睡眠で十分な休息を取ることで脳と体の疲れが回復し、ストレスが解消されます。
睡眠には、「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの分泌が必要です。
メラトニンは、「幸せホルモン」のセロトニンから生産されます。
セロトニンが不足すると、睡眠を促すだけのメラトニンが生産できません。
さらに、メラトニンの調整には、しじみが非常に多く含有するビタミンB12の作用が必要です。

しじみはビタミンB12を可食部100gあたり64.2μg含有し、これは1日に必要な摂取基準の3,120%に相当する数字です。
メラトニンの合成は加齢とともに減少するので、年を重ねるごとに寝つきや睡眠時間が短くなります。
しじみでビタミンB12を摂取すると、寝つきや睡眠の質が良くなり、心身ともにストレスが解消されます。

5.脳の疲れとストレス

脳を酷使すると、脳が疲れ、イライラやストレスを感じるようになります。
実は脳が疲労すると、脳内に大量のアンモニアが発生します。
また、肉体的な疲労が蓄積しても、体内で大量のアンモニアが発生し、血流で体全体をめぐります。
脳には血液で運ばれる有害な物質を遮断する血液脳関門という器官がありますが、アンモニアは分子が小さいため簡単に脳関門を通過し、脳内にもアンモニアが充満します。
アンモニアは有害な物質で、神経細胞を麻痺させる作用があります。
脳は神経細胞の塊です。
アンモニアが脳内に充満すると機能が麻痺し、思考の低下を招き、ストレスの原因となります。
最悪の場合は、脳の神経細胞がアンモニアの毒素で死んでしまいます。

5-1.脳内のアンモニアの処理

脳内でアンモニアが発生すると、非必須アミノ酸のグルタミン酸を用いてグルタミンに代謝します。
グルタミンに代謝された脳内のアンモニアは、血液で肝臓に運ばれます。
肝臓に運ばれたグルタミンは、再びアンモニアとグルタミン酸に代謝されます。
アンモニアは更に肝臓の尿素回路で無害な尿素に代謝され、最終的に尿と共に体外に排泄されます。

5-2.しじみとアンモニアの無毒化

アンモニアの無毒化で作用する尿素回路には、しじみが多く含有する栄養素のオルニチンが必要不可欠です。
オルニチンは体内でも生産ができますが、加齢とともに生産量が低下します。
肝臓でオルニチンが不足すると、アンモニアの処理が間に合わなくなり、アンモニアの毒素で肝臓自身の機能が低下します。
肝臓はアンモニアの無毒化以外にも、エネルギーや各種酵素の生産など様々な機能があります、
肝臓の機能が低下すると、疲労が蓄積し、体調も悪くなります。

そのため、しじみのように単独でオルニチンを豊富に含有する食品で補う必要があります。
しじみでオルニチンを摂取すると、肝臓のアンモニアの処理能力が活性化し、脳や体に充満したアンモニアの処理が促進します。
当然、脳のアンモニアの処理も行われるので、脳の活動が活性化し、脳疲労によるストレスも解消されます。

6.まとめ

人は心身にストレスがかかると、脳内ホルモンを分泌してストレスに対抗します。
しかし、ストレスに対抗する脳内ホルモンが過剰に分泌され続けると、身体に負担が掛かるばかりか、脳内ホルモンの枯渇を招きます。
脳内ホルモンが枯渇すると、心身のバランスに変調をきたし、うつ病の原因となります。
脳内ホルモンのセロトニンは、ストレスを緩和する作用があり、その合成にはしじみに豊富な必須アミノ酸のトリプトファンと、ビタミンB6が必要です。
また、睡眠は心身のストレスを緩和する作用があり、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が必要で、しじみはその分泌を調整するビタミンB12を非常に多く含有します。
さらに、ストレスで脳が疲労すると大量の有害なアンモニアが発生します。
アンモニアを無毒化し、脳ストレスを解消するには、しじみのオルニチンが必要不可欠です。
ストレス解消に普段の食事でしじみを活用すると、心身ともに疲れが軽減します。

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